OCTは万能なのか
(2021/7/8)
 緑内障は視神経の本数が少しずつ少なくなり、視野が欠けて行く病気です。
 診断方法は、OCT(光干渉断層計)による神経線維の減少の確認と、視野検査による視野欠損の確認により行います。
 私の場合、A眼科とB眼科では、OCT検査で「緑内障の疑いがある」と言われたものの、視野検査では異常はありませんでした。D眼科では、OCT検査で「全く問題はない」と言われました。
 さらにE眼科で、「緑内障」と言われたので、OCT検査データの開示を求めたところ、改めてOCT検査をし直して、「問題はない」と説明が変わりました。
 どうして、医院によって、こんなに判断が異なるのでしょうか。

乳頭陥凹拡大で再検査
 OCTが普及する前は、もっぱら眼底写真によって視神経乳頭の陥凹拡大を確認していました。現在でも、スクリーニングのため、人間ドックや健康診断で眼底写真が使われています。眼底写真は次のようなものです(人間ドックで診断された場合 | 池袋サンシャイン通り眼科診療所)。

 健診担当の眼科の医師がみて、陥凹拡大を確認したら、眼科で再検査し、OCT検査や視野検査などを受けることになります。視野検査まで含めると費用の総額は、13,000〜14,000円くらいだそうで、その3割が被験者の負担となります。
 ところが、再検査しても異常のないことが大半です。その理由は次のとおりです(病的ではない"陥凹拡大"|目と健康シリーズ|三和化学研究所)。
 一方、健診などで"陥凹拡大"と指摘されても病的なものはではなく、治療は必要ないこともあります。というより実は、再検査の結果の大半がこれに該当します。その多くは、視神経乳頭が生まれつき大きい場合です。少し詳しく説明しましょう。
 視神経の数は先ほど書いたように約120万本で、だれでもだいたい同じです。しかし 視神経乳頭のサイズは、0.8〜4.5mm2と、非常に個人差が大きいのです。視神経の本数は同じなのに、それが通る穴である視神経乳頭の大きさが異なるのですから、陥凹の大きさもバラバラになり、乳頭が大きい人で陥凹が大きくなるのは自然な現象です。これを健診の眼底検査で"陥凹拡大"と判定しやすいのです。
 もちろんこの状態は、陥凹が「大きい」だけで「拡大」しているわけではなく、緑内障などの病気や異常ではありません。
 もう、10数年前のことですが、定期健康診断で眼底写真を撮り、「乳頭浮腫」と診断され、眼科を受診するように言われたことがあります。その健診では、内科医が眼底写真を判定していました。乳頭陥凹は窪んでいますが、乳頭浮腫は逆に膨らんでいますから、脳腫瘍や脳内出血など脳の重大な疾患の可能性があります。
 近くの眼科医院に電話すると、乳頭浮腫は診れないのでMRI検査を受けるように言われました。そこで、MRI検査を予約しましたが、念のため別の眼科医院に電話すると、診察しても良いとのことだったので、MRI検査はキャンセルしました。
 その医院の眼科医は、とんでもない誤診がなされていることに、初めから気づいていたようで、眼底を覗いて「眼科医が直接見れば、窪んでいるか膨らんでいるか、すぐに分かります。視神経乳頭が少し変形していますが、強度の近視の場合はよくあります。念のため視野検査をして見ましょう」とのことでした。視野検査をしてみると、全く問題はありませんでした。それ以来、定期健診は一度も受けていません。

OCTは、個人眼科クリニックにまで広く普及
 OCTとは、「Optical Coherence Tomography(光干渉断層撮影)の略語で、光の干渉性を利用して試料内部の構造を高分解能・高速で撮影する技術です」。(OCTとは|システムズエンジニアリング | 光学機器-分析機器-計測器
 光源として可視光や近赤外光を用いるため、1ミリ前後の組織内部までしか観察できませんが、X線のような放射線被ばくの心配はありません。また、顕微鏡に匹敵する分解能も得られます。

 機械の原理は次のようなものです。まず、光源からの光をビームスプリッタで分割し、一方の光を資料(眼の組織)に反射させ、もう一方の光を参照ミラーに反射させます。次に、反射して戻って来た光を再び重ね合わせますが、それぞれの距離が一致していると、光がもっとも強くなるので(光の干渉)、資料までの距離を正確に測定できることになります。

 眼底用OCTは2004年に最初に実用化され、2006年にトプコン社から、より高性能なSD-OCT装置が発売され、現在ではSD-OCT装置が主流となっています。今では、大学病院、基幹病院のみならず、個人眼科クリニックにまで広く普及し、この装置なしでは高い診療レベルを維持するのが難しくなっています。( 眼底用光干渉断層計の進歩)。

エラーの原因が二重に
 OCTの測定方法は次のとおりです(コラム集 OCT緑内障 2011.08)。まず、中心窩(黄斑部の中心)あるいは視神経乳頭(盲点)から一定の距離で同心円状にぐるっと一周スキャンし、視神経繊維層の厚さを測定します(A)。測定結果をグラフに表示します(B)。横軸は出発点からの距離を示し、黒の破線は視神経繊維層の厚さを示しています。視神経繊維層の厚さは部位によって異なりますから、同世代と比べて十分の厚さがあるかどうかによって異変の程度を判断します。緑のゾーンにあれば、十分の厚さがあり、赤のゾーンにあれば、薄いことを示しています。

 OCTの測定においては、さまざまの要素がエラーの原因となります。たとえば、「強度近視眼や白内障・硝子体混濁などの中間透光体混濁の影響によるシグナルの減弱(図10)も,セグメンテーションエラーを引き起こす一因となりうるので注意が必要である」( 眼底OCTのすべて)。私の場合は、強度の近視で白内障でしたから、エラーの原因が二重にあったことになります。


測定位置がずれると、全く違う結果に
 また、測定者の技量も結果に影響を及ぼします。「アーチファクトではないが,位置ずれも検査結果の評価に大きな影響を及ぼす.中心固視のずれを起こすと網膜厚の分布が変わるため,特に中心窩厚を評価するうえでは大きな差を生じる原因となる.視神経乳頭周囲の神経線維層の厚さも視神経乳頭からの距離によって異なっているため,測定中心がずれていないか注意が必要である(図11)」(眼底OCTのすべて)。 測定位置がずれると、全く違う検査結果が出てしまうというのは驚きです。


正常眼データベースで解析
 OCTでは、視神経繊維層の厚さから、視神経欠損の可能性を予測しますが、その判定の基準となるのが正常眼データベースです。正常眼データベースの詳細については明らかにされていませんが、人間の眼底の形態は千差万別なので、年齢と形の類似した正常眼の各部位のデータと比較するのではないかと思われます。
 正常眼データベースと比較した解析結果は、カラーマップで表示されます(眼底カメラ付き光干渉断層計 Retina Scan Duo? | 光干渉断層計(OCT)  | 株式会社ニデック)。視神経繊維層が正常眼より薄い部分は赤く表示されます。


私の右目は規格外
 最新の機種では、長眼軸長正常眼データベースをオプションで搭載しています。これは、国内外で収集した「長眼軸長非疾病眼のデータ」を元に開発したものです(光干渉断層計 RS-3000 Advance2 | 光干渉断層計(OCT) | 株式会社ニデック)。このデータベースで補正すると、赤さが目立っていたマップは、ほぼ全面緑となります。つまり、異常ではなかったことになります。

 この説明によると、普通の正常眼データベースは、眼軸の長さが26mm以上、つまり強度の近視眼には対応していないことになります。さらに、長眼軸長正常眼データベースも、29mm以上の長眼軸には対応していないことになります。なお、長眼軸長正常眼データベースはオプションになっているので、標準装備されていません。
 私の目の眼軸の長さは、左が28.86mm、右が29.23mmですから、左目については、長眼軸長正常眼データベースで、ぎりぎり対応しているものの、右目は規格外ですから、適切なデータは得られない可能性があります。
 なお、臨床研究によると、長眼軸長正常眼データベースによる補正は有効だそうです(日本眼科学会雑誌 Online Journal)。

強度近視では、OCTの解析データは、あてにならない?
 そもそも、OCTの解析データは、どの程度信頼できるのでしょうか。
 この点について、ある臨床医が講演会のノートに次のように記載しています(OCTによる緑内障検査)。
 強度近視等視神経変形を伴っている場合、自動診断プログラムはあてにならない。
 中心視機能に関与するが確立されていない。
 過剰診断気味。擬陽性が多い?
 また、緑内障の診断・治療に力を入れている臨床医は、次のように述べています(コラム集 OCT緑内障 2011.08 )。
神経線維層の厚みを測ることで緑内障診断を行うという試みは少し前からありましたが、OCTの撮像方法が飛躍的に発展したことと、緑内障診断のプログラムが開発・改良されたことで、診断の一助になるようになりました。
……緑内障の早期診断に使えるということになっていますが、私はどちらかというと緑内障で視野障害がでている方の障害がでていない正常部分を担当している神経線維に余力があるかどうかを見ることに使うことが多いです。測定位置がずれると結果も若干違ってくるので、視野検査のような精密さや再現性にはやや乏しいです。とはいっても、視野より圧倒的に検査が楽なので、体調や年齢で視野検査を受けていただけない患者さんには朗報です。

前視野緑内障は、無治療で慎重に経過観察するのが原則
 視野検査では異常は出ていなくても、OCTで異常がみつかれば、前視野緑内障であるとし、点眼治療を始めるべきだという意見があります。「緑内障の診療ガイドラインで、積極的に眼圧をさげて予防をはかりましょうと示された」というものです。
 確かに、2018年の緑内障診療ガイドラインでは、Preperimetricglaucomaの訳語として「前視野緑内障」の名称が追記されています(日本緑内障学会緑内障診療ガイドライン(第4版))。
 緑内障の分類の付記として、次のように説明しています。
前視野緑内障(preperimetric glaucoma:PPG)
眼底検査において緑内障性視神経乳頭所見や網膜神経線維層欠損所見などの緑内障を示唆する異常がありながらも通常の自動静的視野検査で視野欠損を認めない状態を前視野緑内障と称する.
 また、病型別治療の付記として、次のように説明しています。つまり、無治療で慎重に経過観察することを原則とし、治療を開始する場合も、必要最小限に留めるべきであると明記しています。
前視野緑内障(preperimetric glaucoma)
原則的には無治療で慎重に経過観察する.しかしながら,高眼圧や,強度近視,緑内障家族歴など緑内障発症の危険因子を有している場合や,特殊あるいはより精密な視野検査や眼底三次元画像解析装置により異常が検出される場合には,必要最小限の治療を開始することを考慮する.
 さらに、眼底三次元画像解析装置を用いた緑内障診断の意義について、次のように説明しています。
 眼底三次元画像解析装置を用いた緑内障診断はあくまで補助的に用いるべきであり,最終判断は視野検査結果などを含め総合的に判断するべきであるとの考えが主流であった.この基本的な考え方は変わっていないが,近年のSD-OCTでは,緑内障において最も早期から変化が生じる部位の一つである黄斑部の網膜神経節細胞層を中心とした網膜内層の変化が検出できることから,SD-OCTを用いてはじめて診断できる緑内障も増えてきた.特に臨床的に検出できる視野障害が出現する以前の段階の緑内障性視神経症,いわゆる前視野緑内障(preperi-metric glaucoma)においては,画像解析装置による診断が主体となる.しかしながら,画像解析装置においても測定精度の限界があり,またさまざまな測定状況によりアーチファクトの出現も少なくない.また,画像解析装置で異常が示されるのは緑内障に限らない.したがって,測定結果を鵜呑みにせずに,最終的な判断はあくまでさまざまな検査結果を総合してなされなければならない.
 「OCTは補助的に用いるべきという基本的な考え方」と、前視野緑内障を独立した疾病であると認める立場は、相容れないものであると思われます。前視野緑内障とは、OCT以外に異変を示すデータがないにもかかわらず、認められる疾病だからです。OCT以外のデータがないのだから、「さまざまな検査結果を総合して」判断することはできないのです。したがって、前視野緑内障の治療は、OCTの測定結果を「鵜呑み」にしなければ、為しえないのです。

強度近視では緑内障の進行が遅い
 緑内障診療ガイドラインでは、OCT検査で異常がみつかり前視野緑内障と診断された場合に、治療を始めるべき条件として、@高眼圧、A強度近視、B緑内障家族歴等の危険因子、Cより精密な視野検査等で異常が検出された場合、を挙げています。
 強度近視については、「約13%と通常より高頻度に緑内障様の視野障害が発生する」という説明があります(強度近視の緑内障の診断と治療|Web医事新報)。
わが国を含む東アジア諸国を中心に,全世界において近視患者数は急速に増加している。その中でも深刻な視力・視野障害に至る様々な症状をしばしば合併する強度近視患者の増加は,大きな社会的懸念となっている。強度近視の本態は眼球の過度な延長(眼軸延長)による極端な近視化であり,一般的に眼軸長26.5mm以上(通常は24.5mm程度),屈折度は−8.0ジオプトリー(D)を超えるものと定義されている。強度近視の合併症の中でも最も頻度が多く,かつ深刻な合併症のひとつが緑内障様視野障害である。わが国における緑内障の有病率は約5%であるのに対し,強度近視眼では約13%と通常より高頻度に緑内障様の視野障害が発生することからもこの疾患の重要さがわかる。
 有病率と「緑内障様の視野障害」がどう違うのか良く分かりませんが、強度近視と緑内障については、次のような説明もあります(緑内障の種類 | 大阪茨木緑内障.com)。
強度近視(-8D以下)を10年以上観察すると13.2%で視野異常が出現しその60%以上で視野が進行すると報告されています。近視には近視特有の乳頭傾斜等で生じる構造的変化(γ-PPAが大きい。)による視神経障害があります。この障害は進行速度が遅く乳頭出血頻度が少ないです。一方それとは別に眼圧等の応力によって生じる篩状板の脆弱性による緑内障視神経症という視神経障害(β-PPAが大きい。)が存在しこの障害は進行速度が速く乳頭出血頻度が多いです。近視眼緑内障はこの2つの障害が重なった病態と考えられています。今のところその割合を簡単決める事はできません。個々のケースで診断と治療について医師と相談することになります。
 「10年以上観察すると13.2%で視野異常が出現しその60%以上で視野が進行する」ということは、10年以上観察すると約8%で進行性の視野異常が見られることを意味しますから、緑内障の有病率5%とあまり差はないことになります。また、強度近視でも眼圧が正常なら進行速度が遅いとも取れる表現となっています。
 さらに、強度近視では緑内障の進行が遅いという研究結果も報告されています( 近視緑内障の病態解明と診断力アップのためのOCTプログラムの開発)。
先ず、原発開放隅角緑内障(広義)症例333例333眼を、眼軸長26o以上または―6D 以下の強度近視群107例107眼、―6Dから―1Dの中等度近視群106例106眼と―1D以上の非近視群120例120眼の3群に分けて、視野障害進行の解析および乳頭出血の出現頻度を解析した。その結果、強度近視群では非近視群に比較して、乳頭出血の頻度が有意に低く、また、MDスロープ、生命表解析で視野の進行速度が有意に遅いことが判明した。
 一方、比較的若い年齢では進行が速いという臨床例も報告されています( 強度近視の緑内障手術 (眼科 60巻8号) )。
疫学研究により近視眼は緑内障の罹病率が高いことが知られている。特に,強度近視眼では緑内障罹病率がより高い。一方で,疫学のデータでは近視眼の緑内障は進行が遅いことが示されている。しかし,実地臨床では強度近視眼の緑内障の患者で比較的若い年齢で視野進行が速くて困る症例がある。

視神経は、年に5千本ずつ減少し続ける
 緑内障は視神経が減少する病気ですが、緑内障でなくても、100万本〜120万本あるとされている人間の視神経は20歳以降、年に5千本くらいずつ減少し続けるそうです( 目に関する常識・非常識|眼科専門医に聞く|参天製薬メディカルシリーズ)。 したがって、厳密に言うならば、緑内障は視神経が減少する病気ではなくて、視神経の減少を加速させる病気ということになります。

網膜や視神経は、脳と同じ中枢神経の構造ですので、「生まれたときの細胞をずっと使い続ける」ことが宿命です。それはつまり、病気や老化で神経細胞を失っても、新しく細胞がつくられないため、細胞数は年々減少していくということです。
100万本〜120万本あるとされている視神経の細胞数は、20歳以降は年に5千本くらいずつ減っていきます。これを単純計算すると、120歳でも50万本は残っていることになります。視神経細胞は50万本以下になるとほぼ失明に近い状態ですが、少なくても120歳までは見るのに必要な本数は確保できていることになります。ある研究によれば、人の最長寿命の理論値は125歳だそうです。

 年齢とともに視神経が減少するのは、骨密度の減少と似ています。
 若年成人と比べ、骨密度が70%未満となれば、骨粗鬆症と判定されます(「骨粗鬆症(骨粗しょう症)」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる)。

 骨粗鬆症とは、骨の量(骨量)が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。骨粗鬆症は圧倒的に女性、特に閉経後の女性に多くみられ、女性ホルモンの減少や老化と関わりが深いと考えられています。
 骨折しやすくなる病気ですから、転ばないように注意することが、一番の対処法です。

80歳になれば全員緑内障?
 骨密度とは違って、視神経の本数は測定できません。そこで、視神経乳頭の形から視神経の減少を予測する方法がありますが、前述のようにかなり大雑把なものです。また、OCT(光干渉断層撮影)で視神経繊維層の厚さを測定し、視神経の減少を予測する方法もありますが、測定位置がずれると、全く違う検査結果が出てしまう上、強度近視眼はエラーを引き起こす一因となりえます。さらに、普通の正常眼データベースは、強度近視眼に対応していません。
 結局、視野検査で視野欠損を測定するのがもっとも確実な方法となります。
 ところで、視神経の細胞数は100万本〜120万本あり、20歳以降、年に5千本くらいずつ減るとするなら、80歳で30万本減る計算となります。とすると、20歳のころに比べると、25〜30%の減少となります。そうすると、視野欠損が生じる可能性がありますが、その場合も緑内障と判定されるのでしょうか。80歳になれば全員緑内障になるのでしょうか。緑内障の判定には明確な基準はないので、そのあたりの境目はあいまいです。
 そもそも、視野欠損が生じたとしても、視点は頻繁に移動していますし、左右の眼は互いに視野の欠損をカバーしているので、視野欠損が相当進まなければ、日常生活には不便は感じないものと思われます。
 正常眼圧の緑内障はゆっくりとしか進行しないのですから、80歳で緑内障を宣告されても、日常生活には不便は感じるほどに病気が進む前に寿命が尽きる可能性が大きいと思われます。
 臨床医も次のように述べています(余命(よめい)と治療方針 | 川本眼科)。 

とくに最近診断されることが多くなった正常眼圧緑内障では進行が遅いので、失明まで至ることはまれです。

余命を考えた場合、高齢になってから緑内障が見つかっても、初期段階ならあまり心配する必要はありません。80歳以上なら治療する必要もないかも知れません。

 そもそも、高齢になれば緑内障の検査そのものが必要ないともいえそうです。
 ただ、慎重に行動するようになるという意味においては、骨密度の測定と同様に、視野検査を受けておくのも悪くないかもしれません。